2016年2月16日火曜日

まるでボイスレコーダー、「遅延エラコリア」って何?

















3歳くらいの頃、娘はボイスレコーダーと化しました。

絵本の文章、DVDのセリフをまるっきり暗記し、
それをそのまましゃべり続けるのです。

ノンタンシリーズやはらぺこあおむしくらいなら、句読点を含めて完璧に覚えました。
30分あるアンパンマンDVDのセリフは、タイミングや抑揚まで寸分のズレもありません。

まだ意味の分かっていない単語も出てくるだろうに、
数回見ただけの・読んだだけの内容を完全に頭にコピーして、
何も見ずにスラスラと言葉を再生できるって、すごい能力ですよね!


まさに、ボイスレコーダー!
ただし、停止ボタンが付いていません!(泣)


1日中、寝る時と食べる時と何かに集中している時以外、
ずーーーーーーーーーーっと独り言を言っているのです。
それも、自分の気持ちやママゴトの独り言ではなく、録音を再生するだけ。
それを、1日中。


一緒にいる者としは、かなりキツかったです。


テレビのセリフの真似をすることや、
独り言をいうことは小さい子供にはよくあることです。
しかし、娘の場合は「遅延エラコリア」といって、いわば壮大なオウム返しです。

自閉症傾向のある子供に多い言語障害の一種で、
独り言自体に問題があるワケではありませんが、
対話が成り立たないため対人関係を築くのが難しく、
社会生活をおくるにあたっても支障となります。


本人は悪気なく遊んでいるだけなので、独り言を禁止するのはいけませんが、
言葉を誰かとやり取りすることや、共感することを、そろそろ覚えていかなくてはならない年頃です。


私もいろいろ工夫してみました。
セリフの途中であいの手を入れたり、「それからどうなった?」と聞いてみたり。

完全無視でしたけどねっ。


可愛い娘でも、すごい能力でも、本人にとっては無邪気な遊びでも、
1日中独り言を聞かされるのは疲れます。

もう当時はアンパンマンとかノンタンとか聞くのすらイヤになっちゃって、

「顔が濡れて力が出ないよ~」
(そのまま死ね!)←心の声

「ノンタンノンタン、ブランコびゅーん!」
(落ちて死ね!)←心の声

「あおむしはさなぎになってなんにちもねむりました」
(もう起きてくんな!)←心の声

とかいう心理状況でした。酷いなアタシ!
今から思えばだいぶキてたんですね~。


一時は永遠に続くのかと思いましたが、
5歳ころにはなくなりました。
8歳になった今では会話も問題ありません。
学校であったことをギャグを交えながら楽しく報告してくれ、
それについてみんなでわいわい盛り上がったりします。

そのかわり、完璧にコピーする能力はなくなりました。
国語の教科書も、中身はよく理解しているけれど、
一言一句暗記しているということはもうありません。

ちょっともったいない気もするけれど、
彼女と話をするのが楽しいので、ヨシとすることにします。





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