2016年6月29日水曜日

こだわりが強いとは、こういうこと

発達障害の子はこだわりが強いと言われます。

特に物事の手順にうるさく、想定していたのと違うとパニックを起こして大泣きすることも。

といっても、目にしたことがない人にはなかなか想像できないですよね。

たとえば、「みかんの皮をむく」という単純な行為でも、このような苦労があります。






暴れて泣くこと30分。みかんを渡そうとしただけなのに、30分泣かれました。

「勝手に皮をむかれたのがイヤだったんだな」と察した母、今度はむかずに渡すことに。




より激しく泣かれました。


彼女が想定していたのは、「皮は自分でむきたいけれど、最初は硬くて難しいので、へその部分に親指で穴をあけただけの状態で渡してもらうこと」だったようです。

これが2歳半の頃の話。まだ言葉でこんな複雑なことを伝えることができない年齢です。分かるかっつーの。

日常のあらゆる面でこういうこだわりがあり、そのたびに数十分単位でギャン泣きされます。1回30分として、10回あれば300分、5時間です。1日5時間ってお前。確実に生活に支障が出ます。


成長とともに言葉を駆使できるようになればおさまってきますが、そのへんは個人差がありますね。今から思えばギャグですが、現在進行形の人にとっては深刻です。





2016年6月16日木曜日

自閉スペクトラム症の視覚世界を体験できるシミュレーター

自閉スペクトラム症(ASD)の人は定型の人とはモノの見え方が違い、それが原因で社会生活に支障が出ることがあります。

そこで、ASDの人がどのように世界を見ているのかを体験できるシミュレーターが開発されたそうです。

http://synodos.jp/science/17269


完全にウェアラブルゲーム状態ですが、真面目な装置ですよ。


見え方の例はリンク先の記事に掲載されていますが、自閉症傾向のある人の視覚には以下のような特徴があります。

・ 明るいところはすごく明るく、暗いところはすごく暗く見える
・ 光を強くとらえるため、とにかく眩しがる
・ 音や動きがはげしいところではノイズが見える

サングラスが手放せないASDの人って多いらしいですね。
人がガヤガヤしているのが嫌いっていうのも有名ですが、聴覚だけでなく視覚でも刺激が強すぎるなら、そりゃ人ごみは嫌いでしょうし、小学生なら机の下から出てきませんよね。


この機器を開発した研究チームは、ASDの人の感じ方を体感することで、理解や支援につなげてほしいと述べています。うーん。男性に着せる「妊婦体験スーツ」みたいなテイストがしますね。この状態が四六時中であることの苦痛が、うまく伝わればいいんですが。